職人の腕の見せ所、下地補修

一口に下地補修と言ってもその方法は様々です、外壁の種類や傷みの程度、症状など様々な条件により処置方法は変わります。しかし住宅の塗り替えの場合は新築時の塗装とは違い下地がひび割れていたり、コーキングが劣化していたり、塗膜が著しく劣化していたり新しい塗料を塗るのにベストな状態である事はまず有りません。この傷んだ状態を如何に新築時のような状態に近づけられるかそれが我々職人の腕の見せ所です。

ひび割れたモルタルのVカット補修

よくある補修方法お一例としてVカット補修によるモルタルのひび割れの補修を方法をご紹介します。

ひび割れの大きさ深さを確認します。

まずひび割れ箇所をV 型の溝を掘るVカッターを使用して削ります。

コーキングが補修箇所に密着するようにプラマーを塗布してから、 コーキング材を充填します。このコーキング材がヒビ割れからの雨水の侵入を防ぎます。

コーキング材が硬化したら塗装の下地の為にセメントフィラーを塗ります。上に塗る塗料の種類によって違う種類の下地を使う事もあります。 セメントフィラーが硬化したらこの上からさらにシーラーを塗布して塗装の準備ができました。

コーキングを入れた上から塗装をする際は弾性の有る塗料を使用しひび割れの再発を予防します。今回は砂骨ローラーを使用した厚塗りの仕上げ塗装です。

Vカットをしないと・・・

Vカット補修は上で説明した通り手間の掛かる作業です。しかしこれをせずひび割れ部分を簡単に塞いで上から塗装してしまえば仕上がり時の見た目は区別付かないでしょう。これは要するに手抜きをしようとしればいくらでも出来てしまうと言う事なのです。

表面上は同じでも内側は上の図のように違いが生じます。Vカット補修を省略した施工の塗装面は数年後には同じ箇所がひび割れを起こす可能性が大です。こんな施工をしている業者が居る事は本当に残念で腹立たしい限りです。しかし下地補修が多いお家の場合は全工期の半分以上が下地補修に費やされる事もあります。最終的にはお客様の目には見えない部分なので、その違いがすぐにお分かり頂けない事が残念ですが、5年後には確実にその違いか現れます。

モルタルのひび割れの種類

モルタルがひび割れも種類が有り処置方法が異なります。

1.乾燥クラック
上の補修例でもとりあげた幅2ミリ以下程度てランダムに発生するひび割れは。 乾燥クラックと呼ばれ、モルタルが乾燥して収縮する事が原因で発生します。これはモルタル壁の宿命ともいえるものでVカット補修でしっかりと補修すれば心配は要りません。ひび割れの多くはこの乾燥クラックです。

2.構造クラック
こちらのひび割れは乾燥クラックに比べ幅が広く直線的で局所的に発生しています。このようなひび割れは構造クラックと呼ばれ、住宅の構造体のズレなどを原因とし発生している恐れがあります。まずは原因を突き止め、必要な処置を検討する必要が有ります。我々塗装業者だけでは手に負えない場合は専門業者へ依頼します。

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